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2026.02.07

DJI産業用ドローン比較|Matrice 4E・4T・4D・4TD・Matrice 400を用途・スペックで選ぶ

DJIの産業用ドローンは機種が増え、「結局どれを選べばよいのか分からない」という声をよく聞きます。
本記事では 産業用ドローンとして人気の高い Matrice 4E / 4T / 4D / 4TD / Matrice 400 を対象に、実際に使用・販売しているSORABOTの担当者が、耐環境性(IP等級)・使用温度・カメラ性能・赤外線解像度などの定量的な仕様をもとに比較します。
イメージだけではなく「数値」で産業用ドローンを選びたい方向けの整理です。
※本記事で扱う産業用ドローンは、いわゆる「業務用ドローン」「点検用ドローン」「測量用ドローン」を含む、現場向け機体を想定しています。


比較の前に押さえておきたいポイント

耐環境性(IP等級・使用温度)

機体選定で最初に分かれるのが耐環境性です。

  • Matrice 4E / 4T
    使用温度:-10℃~40℃、防水・防塵なし
  • Matrice 4D / 4TD / Matrice 400
    使用温度:-20℃~50℃、IP55対応

雨天や低温環境を想定する場合、現場で止められない業務ほど効いてくるため、産業用ドローン選定では最優先で確認したいポイントです。


カメラ構成(内蔵 or 交換式)

  • Matrice 4シリーズ:カメラ内蔵型(構成固定)
  • Matrice 400:交換式ペイロード(最大約6kg)

用途が決まっているか、将来的に拡張したいかで産業用ドローンの選択が分かれます。


機体別 定量スペック比較

ここからは、産業用ドローン選定に直結する数値(IP等級、温度、赤外線解像度など)を中心に整理します。

機体本体・耐環境・運用条件
項目 Matrice 4E Matrice 4T Matrice 4D Matrice 4TD Matrice 400
防水・防塵 IP55 IP55 IP55
使用温度 -10~40℃ -10~40℃ -20~50℃ -20~50℃ -20~50℃
最大耐風 12 m/s 12 m/s 12 m/s 12 m/s 12 m/s
最大飛行時間
※前進時
約49分 約49分 約54分 約54分 最大59分
※H30T搭載時
折り畳み  不可  不可
機体重量 約1.2kg 約1.2kg 約1.3kg 約1.3kg 約9.7kg
※H30T搭載時
カメラ方式 内蔵 内蔵 内蔵 内蔵 交換式
最大ペイロード 約6kg
可視光カメラ(ワイド)
項目 Matrice 4E Matrice 4T Matrice 4D Matrice 4TD Matrice 400
センサー 4/3インチ CMOS 1/1.3インチ CMOS 4/3インチ CMOS 1/1.3インチ CMOS P1:フルサイズ CMOS
有効画素数 約20MP 12MP(拡張48MP) 約20MP 12MP(拡張48MP) 45MP

中望遠・望遠
項目 Matrice 4E Matrice 4T Matrice 4D Matrice 4TD Matrice 400
中望遠 3倍 12MP(拡張48MP) 3倍 12MP(拡張48MP) 3倍 12MP(拡張48MP) 3倍 12MP(拡張48MP) H30T:高倍率ズーム
望遠 7倍 12MP(拡張48MP) 7倍 12MP(拡張48MP) 7倍 12MP(拡張48MP) 7倍 12MP(拡張48MP)
最大光学ズーム 7倍 7倍 7倍 7倍 36倍(H30T)

赤外線(サーマル)
項目 Matrice 4E Matrice 4T Matrice 4D Matrice 4TD Matrice 400
赤外線カメラ 内蔵 内蔵 H30T搭載時
解像度 640 × 512 最大 1280 × 1024 1280 × 1024

レーザー・LiDAR
項目 Matrice 4E Matrice 4T Matrice 4D Matrice 4TD Matrice 400
レーザー距離計 測距対応 測距対応 測距対応 測距対応
LiDAR Zenmuse L3
反射方式 マルチリターン

各機体の特徴と向いている用途

コンパクトなMatrice 4Eシリーズ

産業用ドローン DJI Matrice 4シリーズ

 

Matrice 4E|測量・施工管理のスタンダード

 

Matrice 4Eは4/3インチCMOS・約20MPのワイドカメラを搭載した、測量・施工管理向けモデルです。使用温度は-10℃~40℃で防水性能はありませんが、晴天時のオルソ作成や進捗記録では十分な性能を発揮します。カメラ一体型のため構成がシンプルで、短時間作業やスポット案件に向いています。


Matrice 4T|赤外線点検・初動対応向け

Matrice 4Tは640×512の赤外線サーマルカメラを内蔵し、設備点検や災害初動調査に適したモデルです。可視光と赤外線を切り替えて確認でき、異常の有無を素早く判断できます。使用温度は-10℃~40℃のため、基本は天候を選んだ運用が前提となります。

 

体感強制の高い、Dock対応可能なMatice 4Dシリーズ

 

産業用ドローン Matrice 4Dシリーズ

Matrice 4D|耐環境性重視の可視光モデル

Matrice 4DはIP55対応-20℃~50℃の広い使用温度範囲を備えた耐環境モデルです。可視光のみの構成ですが、雨天や寒冷地でも安定した撮影が可能で、定期巡回や屋外設備の記録用途に適しています。年間を通じて屋外運用が必要な現場に向いた機体です。


Matrice 4TD|耐環境+赤外線の両立

Matrice 4TDはMatrice 4Dの耐環境性能に赤外線機能を加えたモデルです。IP55と-20℃~50℃対応により、雨天・低温環境でも赤外線点検が可能です。赤外線解像度は最大1280×1024(温度情報保持は640×512)に対応し、天候に左右されにくい点検業務に適しています。


 

産業用ドローンのフラッグシップモデル Matrice400

産業用ドローン Matrice 40

Matrice 400|用途を拡張できるプラットフォーム

Matrice 400はIP55対応・-20℃~50℃の耐環境性能に加え、最大約6kgのペイロードを搭載できる拡張型機体です。P1による高精度写真測量H30Tによる高倍率ズーム・赤外線点検L3によるLiDAR測量など、用途に応じて構成を変更できます。複数業務を横断する現場に適したモデルです。


用途別おすすめ産業用ドローン

 
主な用途 推奨機体
測量・施工管理 Matrice 4E
赤外線点検(晴天) Matrice 4T
雨天・寒冷地の可視点検 Matrice 4D
雨天・寒冷地の赤外線点検 Matrice 4TD
高精度写真測量 Matrice 400 + P1
LiDAR測量 Matrice 400 + L3
高倍率ズーム・赤外線 Matrice 400 + H30T

 

活用事例などSORABOTのブログ記事もご参考ください

ドローン測量 活用事例|写真測量・LiDAR・SLAMの違いと最適手法を解説|SORABOT

太陽光発電ドローン点検


まとめ

DJIの産業用ドローンは「どれが上位か」ではなく、
現場条件・必要な成果物・環境耐性で選ぶべき機体が明確に分かれます。
定量スペックを整理すると、自社に必要な構成が見えてきます。
不明点があれば、現場条件を伺いながら産業用ドローンの構成(機体+カメラ)まで整理してご提案できます。

になる情報やご相談がある方はぜひSORABOTへお問い合わせください。

この記事を書いた人

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奥村英樹

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大手電機・エネルギー企業での技術営業を経て、ドローン業界へ。営業・開発PM・操縦士など幅広い実務経験を活かし、2022年にSORABOTを設立。ドローンの社内導入支援や運用課題の解決を行う「ドローンアドバイザー」として活動中。ドローンをもっと簡単・便利に使える社会を目指しています。

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