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2026.02.04

【イベントレポート】ドローン×鳥獣害対策の最前線

今回は、1/26に開催した対談イベントの開催レポートをお送りします。

〜夜間調査のリアルと地域課題解決への展望〜

2026年1月26日、ドローン活用の可能性を広げるコミュニティ「ソラハブ」主催の対談イベントが開催されました。
ゲストは、国内トップクラスの野生鳥獣調査実績を持つ株式会社スカイシーカーの久保田様 「ドローンで何ができるのか?」という問いに対し、過酷な現場での実体験と、機材の進化がもたらす未来について、貴重な映像とともに語っていただきました。

 

1. 10年の知見が支える「野生鳥獣調査」

スカイシーカー社は、ドローン業界で10年以上の歴史を持つリーディングカンパニーです。レンタル事業でも広く知られていますが、その根幹にあるのは**「野生鳥獣調査」**の深い知見です。

  • 主な業務: 自治体からの依頼によるシカ、イノシシ、サル、クマなどの生息調査。

  • 活動範囲: 全国各地。農作物被害に悩む自治体や、林業被害の対策現場が中心。

  • シーズナリティ: 11月〜3月が繁忙期。葉が落ちる冬場は赤外線カメラの視認性が高まるため、依頼が集中します。

 

2. 映像で見る「現場のリアル」

イベントでは、実際にドローンで捉えた赤外線映像が公開されました。

  • 赤外線カメラの威力: 可視光カメラでは判別不能な夜間の森林でも、動物の体温を感知し鮮明に個体を特定。

  • 個体判別のノウハウ: 「生体の特徴によるクマとイノシシを見分けかた」など、長年の経験に基づいた解析技術が紹介されました。

  • 最新機材の影響: DJIのH20シリーズや最新のH30Tの登場により、以前は困難だった「夏の木の葉が生い茂る時期」でも調査が可能。

3. 過酷な現場と徹底した「安全意識」

ドローンパイロットにとって、鳥獣調査は非常に難易度の高いミッションです。

  • 夜間×山岳の特殊性: 街灯もない真っ暗な山中での離着陸。斜面の起伏に合わせて高度を一定に保つルート設計には高度な技術を要します。

  • 対クマの安全対策: クマの生息域では、離陸前にクラクションを鳴らし、上空から周囲を偵察。ヘルメット、クマスプレー、熊鈴を完備し、常に車へ逃げ込める体制で運用。

  • 運用の線引き: 「雨や風に対して、どこまでが許容範囲か」を明確に定め、機材を過信せず、かつ現場を完遂するバランス感覚がプロのスキルとして語られました。

4. 調査の先にある「地域の未来」

調査は「動物を見つけて終わり」ではありません。

「現状を正しく把握しなければ、有効な対策は打てない」

  • データ活用: 調査結果をもとに「どの地点に罠を仕掛けるのが効率的か」を提案。

  • 二次災害の防止: 鳥獣害は農作物の被害だけでなく、土壌流出による土砂崩れなど、地域の防災リスクにも直結しています。

  • 展望: 人口減少が進む地方自治体において、ドローンをコンパクトシティやスマートシティ構想の一部として組み込み、動物との共生や住みやすい街づくりに貢献することを目指しています。

5. Q&A セッション(抜粋)

  • Q: 調査の単価は?

    • A: 案件によりますが、2〜3名体制の現場経費やデータ解析を含め、1プロジェクト100万円規模からが目安。

  • Q: どのような人と働きたいか?

    • A: スキルも重要だが、何より「安全意識が高い人」。夜間のリスクを理解し、冷静に判断できることが大前提。

編集後記

ドローンという最先端技術を使いながらも、その現場は泥臭く、自然との真剣勝負であるというギャップが印象的でした。スカイシーカー社の活動は、単なる「空撮」を超え、日本の地方が抱える深刻な課題に立ち向かう「社会インフラ」としてのドローンの姿を示していました。

 

今後のソラハブ対談イベントの予定
2月24日(火) エアロセンス株式会社 鈴木 康輔 様

この記事を書いた人

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奥村英樹

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大手電機・エネルギー企業での技術営業を経て、ドローン業界へ。営業・開発PM・操縦士など幅広い実務経験を活かし、2022年にSORABOTを設立。ドローンの社内導入支援や運用課題の解決を行う「ドローンアドバイザー」として活動中。ドローンをもっと簡単・便利に使える社会を目指しています。

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