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2025年10月1日
Sora Blog

2025.11.05
今回は、10/27に開催した対談イベントの開催レポートと、次回11月26日(水)@大阪梅田の対談イベントのご案内をお送りいたします。

2025年10月27日開催のソラハブ対談会では、株式会社ジュンテクノサービスの梅原麻妃さんをお招きし、水中ドローン(ROV)の現場活用とその可能性についてお話しいただきました。

千葉県出身の梅原さんは、現在埼玉県川越市で水中ドローン事業を展開しているジュンテクノサービスさんにお勤めです 。
海のない地域ながら自社プールを設け、販売・講習・メンテナンスまでを一貫して行う体制を築いています。
同社は日本水中ドローン協会に所属し、全国50校のスクールの中でも受講者数ナンバーワンを誇る実績を持つ企業。
水中ドローンの販売だけでなく、講習、修理、プールレンタルなどを通じて業界の裾野を広げています。
従来、潜水士が行っていた港湾やダムの点検、船底の調査などにROVを活用する事例が増えています。
人が入れない狭い空間や濁った水中でも、命のリスクなしに安全に調査できるのが最大の特徴。
LEDライトやAI映像補正機能の進化により、暗所や水質の悪い場所でも鮮明に確認可能で、「潜らずに見に行く点検」が現実のものになっています。

水中ドローンの活用は、公共インフラや港湾施設、貯水槽、工場設備の点検など多岐にわたります。
「潜ること自体がリスクであり、これまで点検ができなかった箇所に安全にアクセスできるようになった」と梅原さん。
また、同社では修理・整備の実務も担っており、スラスター(モーター部)の塩噛みや錆びつきなど、海水利用後のメンテナンス不足がトラブルの原因になることを具体的に紹介しました。
講習受講者は企業だけでなく、個人事業者や空撮ドローン経験者も多く、「空から水中へ」領域を広げる新たなキャリア形成が進んでいます。
一方で、導入を検討する企業には“価格”だけでなく、命のリスクを減らす価値を理解してもらうことが重要だと語りました。
また、点検を外注するだけでなく、「まずは自社で扱えるように」とスクール受講後に内製化する企業が増えている点も特徴的です。

梅原さんは「ドローン=空」という固定観念を超え、“水の中の現場”を可視化し、安全で持続可能な点検を実現したいと語りました。
ROVは単なる代替技術ではなく、人の命を守り、見えなかった課題を発見するためのツール。
「潜らずに点検できる」ことが、これからのインフラ維持管理の常識になっていくと締めくくられました。
水中ドローンが拓く“見えない世界”のDX。
株式会社ジュンテクノサービス 梅原麻妃さんの実践は、安全と効率を両立する新しい点検のかたちを示していました。