今回は、3/24に開催した対談イベントの開催レポートと、
次回4月28日(月)の対談イベントのご案内をお送りいたします。
今回の対談者は空colorの岩本さん。
空撮映像のプロフェッショナルである岩本さんをゲストに迎え、ドローン撮影の現場における実践的な知見と、クリエイターとしての想いについて語っていただきました。
今回の対談のキーワードは、「見せ方」「探求心」「8秒動画」、そして「人とのつながり」。長年映像空撮の現場で活動し続ける岩本さんのリアルな言葉に、参加者一同深く引き込まれる時間となりました。
岩本さんは、もともとはゲーム業界で音楽制作を行われてました。音楽を通じて出会った知人に誘われたことをきっかけに、映像制作の世界に飛び込みました。そこから映像編集、撮影補助を経て、徐々に自分自身でカメラを持ち、空撮を手がけるようになります。
ドローンを使い始めたのは、Phantom 2の時代。当時は今のような自動制御もなく、ドローンそのものの操縦も手探り状態だったといいます。今でこそ空撮に特化した業務用機体が増え、安定した映像が撮れるようになっていますが、当時はトラブルも頻発。その中でも試行錯誤を重ね、ドローンを撮影ツールとして自分の武器にしてきたのです。
岩本さんが繰り返し語ったのが、「ドローンの映像は、見せ方で印象が変わる」という点でした。高い機材を使えばいい映像が撮れるわけではなく、「どう見せたいか」という意図と構図、そしてその場所の空気感をどう切り取るかが重要だといいます。
たとえば、上空からの単なる俯瞰映像ではなく、「手前に木があることで距離感を出す」「わざと逆光で光を演出する」など、ちょっとした工夫で“映画のワンシーンのような印象”を生み出すことが可能だと説明。そのためには、撮影前のロケハンや構図の検討、当日の光の具合まで含めて、非常に多くの準備と感覚が必要だと語っていました。
岩本さんがX(旧Twitter)などで発信していた「#ドローン8秒動画」は、多くのクリエイターやドローンファンに影響を与えてきました。8秒という短い時間の中で、「風景の美しさ」「動きの面白さ」「構図の工夫」を凝縮した動画は、もはや一つの作品になります。
その背後には、「練習で撮った映像にも価値を見出したい」「日常の中で映像を切り取る楽しさを知ってほしい」「8秒という尺の中に収める難しさを味わってほしい」という思いがあり、「そのための練習や検証をしてほしい」と語られました。また、その8秒動画を繋げると1つの自身のポートフォリオにもなるともおっしゃってました。
ドローン業務を継続するうえで、岩本さんが重要だと考えているのが、“2つのC”=コミュニケーションとコネクション。技術がどれだけあっても、現場では「またこの人と一緒に仕事がしたい」と思われるかどうかが大事であり、そのためには信頼関係と人柄が何より大切だといいます。
また、「誰かに指示されたから撮る」のではなく、「自分で工夫して良い映像を撮ろうとする探求心」が求められると話します。プロの現場では、時間も条件も限られている中で、どうすれば最善の映像が撮れるかを自分で考え抜く力が必要。「一緒に現場に立てる人材とは、技術力よりも、粘り強く向き合える人間性が問われる」と強調されていました。
今回の対談を通じて強く感じたのは、「道具としてのドローン」ではなく、「表現の手段としてのドローン」という視点です。良い映像を生み出すには、撮影者の「伝えたいもの」が何であるか、そして「どう伝えたいか」という明確な意志が必要だと岩本さんは語ります。
「最初は何も考えずに撮っていたけれど、気づけば『作品にしたい』と思うようになった」「誰かの心に何かを残せる映像を撮りたい」。そうした言葉には、ただの撮影業務を超えた“表現者”としての覚悟と情熱が込められていました。
今後のソラハブ対談イベントの予定
4月28日(月) BOLJU 白川 賢治様